D1 10 RCドリフト世界選手権 チームヨコモがRWD(二駆)・AWD(四駆)ともに表彰台を独占

開催日:2016年6月6日〜13日 Report by Team YOKOMO

 6月6日〜13日の8日間に掛けて、世界No.1のRCドリフターを決定する「D1 10 RCドリフト世界選手権」がオランダのエメン・サンデュールパークにて開催された。開催5年目を迎える同大会は、当初よりヨコモがスポンサーを務め、欧州No1を決定する大会であったが、今回は27か国、250名以上の参加者を迎え「RCドリフト世界選手権」として開催された。

 ヨコモからはAWDクラスのディフェンディングチャンピオン吉波隼選手、そしてガチャピンこと山内龍洋選手、新規加入のシュンスケ選手こと梶田俊介選手、YD-4の開発ドライバー松崎隼人選手、そしてヨコモアンバサダーとして実車D1 グランプリドライバー上野高広選手のご子息、上野アドル選手の合計5名が大会エントリーを行い、選手サポートとしてタカヒロこと川上哲弘選手がクルマのセッティング、他国選手との交流のために参加した。


  8日間の長丁場にわたる本大会であるが、水際に佇むリゾートコテージ群が選手村となり、家族同伴でゆったりと過ごし、また他国選手との親しく交流しながらRCドリフトに集中できる他に類を見ない素晴らしい環境を参加選手へ提供している。

  インドアテニスコートを使用した特設会場には、RWD練習用、AWD練習用、RWD/AWD本番コースの3コースが設置され、広いピットエリアのほかに欧州のRC販売店ブースが軒を連ねるなかに、ヨコモが唯一のメーカーブースを設け、YD-4とYD-2(試作品)プロトタイプ、および新作パーツを展示して参加選手へアピールした。

 3日間で4回の本番コース公式練習を経て、セットアップと追走シュミレーションを終えた各選手は、4日目にしてようやく予選開始。RWD、AWDともに単走3本のベストスコアで順位を決定。シード権を得たTop10を除く11位から98位までの選手達は、更に追走方式の予選を継続。最終日のTop32による決勝トーナメント追走に参加できる枠を目指した接戦を繰り広げることになった。

 予選初日は、RWDクラスの予選から始まった。ヨーロッパのトップドライバーが次々と高得点を出す中、トップ通過を果たしのはYD-2プロトタイプを駆る吉波隼選手。車速、迫力、安定感の3拍子を兼ね揃え、デビュー戦とは思えないほどの仕上がりで、YD-2の素性の良さを感じとれる走りであった。惜しくも予選19位となってしまった梶田俊介選手は、3本とも完璧なラインを走行させたように思えたが、ヨーロッパ審査の基準にそぐわず1日目で予選をパスすることができなかった。

 予選2日目は、AWDの予選が行われた。近年のヨーロッパ審査で最重要視されている深いカウンターアングルに照準を合わせ、チーム員全員がFCD前後比2.0近い数値でマシンセットアップを施し、予選に臨んだ。まず海外選手で高得点を出したのはノルウェーのSimen Gulbrandsen選手。キレのある走りでいきなり予選トップの位置につける。ここから日本勢の登場。まずは山内龍洋選手、梶田俊介選手の2名が貫録の走りで高得点をマーク。続いて昨年度のヨーロッパチャンピオンの吉波隼選手がプレッシャー掛かる中、確実な走りで梶田俊介選手のすぐ下に入った。しかし、海外選手のレベルは非常に高く、単走トップ通過のSimen選手と同チームのKim Grande選手が、山内龍洋選手のポイントを上回り予選3番手の位置についた。近年、海外選手のレベルが急速に上がり、キレ、カウンターアングル、壁との距離感は日本人を上回るほどになってきており、チームヨコモメンバーが単走トップ通過を果たす事はできなかった。

決勝日前日に行われたTop32に進出するための追走予選「AWD/RWD battles11-98」にて、チームヨコモのLasse選手やEdwin選手などの海外選手も勝ち上がり、Top32にチームヨコモ14名が進出した

 8日間にわたる本大会もとうとう最終日となり、AWD、RWDの順にTop32の追走トーナメントが行われた。昨年度まではRWD、AWDの順に行われていた追走トーナメントが今年はRWDが最後に行われるということもあり、ヨーロッパのRWDの盛り上がり度を実感させられる進行となった。

 AWDトーナメントはTop32一回戦で予選トップ通過のSimenGulbrandsen選手がいきなり敗退するという波乱の中、追走に強いチームヨコモメンバーは次々とBest16へ進出。Best16の対戦では奇しくもEmil選手vs梶田俊介選手のチーム同士の対戦となってしまった。今年からチームヨコモに加入したEmil選手は若干13歳ながら、単走でもTOP8に入り、若さある攻めの走りで梶田俊介選手を下しTOP8に進出した。Emil選手の勢いは止まらずTOP8で絶対王者、山内龍洋選手とサドンデスを披露するほどの走りを見せ会場を盛り上げた。しかし、あと一歩のところで及ばず、山内龍洋選手の勝利となったが、Emil選手の今後が期待できる結果となった。一方別ブロックでは吉波隼選手がヨーロッパの強豪KimGrande選手と対戦し、車速、キレ共に上回っているKim選手に終始押されている状況下の中、何とか相手のミスもあり粘り勝ちで吉波隼選手が勝ち上がった。
 TOP4では予選2番手のTeamOVER DOSEの平井銀次選手と山内龍洋選手が対戦。先日谷田部アリーナで開催されたプレアジア選手権で優勝した平井銀次選手。サドンデス連続の対戦が予想されたが、ここは本大会のためにセッティングを施していたYD-4リヤモーター仕様のトラクション性能を生かした山内龍洋選手がきっちりと前走者に合わせきり、決勝へ駒を進めた。決勝は吉波隼人選手vs山内龍洋選手、互いに入れ替えて差の無い走りを披露し会場を大いに盛り上げた。結果は僅差で吉波隼人選手が優勝し二年連続優勝というD1-10初の快挙を成し遂げた。

YD-4 セッティングシート / Driver:吉波 隼 [PDF153KB]

YD-4 セッティングシート / Driver:山内 龍洋 [PDF155KB]


 AWDの決勝が終わり、会場が興奮冷めやらぬ中、RWDのTOP32 追走トーナメントが開始された。
 一回戦目はAWDでチャンピオンを決めたばかりの吉波隼選手とHannes選手。Hannes選手は前日のRWD battles11-98ですでに二回勝ち上がっており、吉波隼選手は追走シードではあるが本大会でのRWDの追走は初なため一回戦から気の抜けない対戦が行われた。しかし、YD-2プロトタイプの圧倒的なトラクションと角度を武器に、危なげない走りで見事勝利しTOP16へ進出した。YD-2開発ドライバーでもある松崎隼人選手はTOP16で昨年度のD1-10、RWDクラスチャンピオンのHarun選手と対戦し苦戦を強いられたが、先行で松崎隼人選手が長期に渡るフロント周りの設計でスピンギリギリのドリフトを決め、Harun選手が合わせきれずスピンしてしまい、松崎隼人選手が勝利した。松崎隼人選手はそのまま勝ち上がりTOP4で吉波隼選手と対戦。YD-2プロトタイプ同士の対戦となりました。車の差が無いため、ドライバーのスキル勝負となったこの対戦は僅差で吉波隼選手。

 最後の決勝戦は吉波隼選手と梶田俊介選手の対戦。この勝負は後追いの寄せの精度、車速で吉波隼選手が一歩上回り、AWDクラスに続きRWDクラスも制覇した。また3位決定戦で松崎隼人選手がDaniel選手に勝利しYD-2デビュー戦にして表彰台独占という素晴らしい結果で幕を閉じることができた。

 最高の盛り上がりと素晴らしい結果をもたらした本大会。Team Yokomoは今後も海外メンバーと共に、競技性のある大会参加を通してRCドリフトの素晴らしさを世界へ発信し続けたい。