組み立て前の準備・基礎作業 (ドリフトパッケージ 組立講座)
今回制作するキットはドリフトパッケージのD1シリーズ、今村陽一選手が2009年度のD1シリーズチャンピオンに輝いたマシン・Team BOSS with POTENZA S15だ。もちろんドリフトパッケージシリーズはどのマシンでも同じシャーシ構造なので、組み立ての解説は共通している。早く箱を開けて組み立てを開始したいところだが、その前に準備と組み立ての基礎を解説しておこう。
ドリフトパッケージのキットにはシャーシとボディ、タイヤホイールなどが入っているが、ラジコンとして楽しむためのコントローラー(プロポセット)は別途購入する必要がある。ヨコモからはドリフトパッケージにベストマッチするコントローラーやバッテリーを組み合わせたセット[ランニングセット]を発売しているので、ぜひご利用いただきたい。ここでは最新の2.4Ghzシステム仕様[YOKOMO 2.4GIII ドリフトパッケージ用ランニングセット]を使って組み立てを解説する。
この[YOKOMO 2.4GIII ドリフトパッケージ用ランニングセット]には、送信機、受信機、ステアリングサーボ、スピードコントローラー、モーター、走行用バッテリー、充電器がパッケージされている。送信機に入れるアルカリ単3電池4本のみ別途必要になるので、あらかじめ購入しておこう。
今回使用する2.4Ghzシステムの利点は、送受信機が自動で空きバンドを見つけてくれるので、たくさんの人がRCカーを走らせていても、他の人の使用バンドを気にすることなく楽しめるところだ。従来のAM方式は12人のみ同時走行可能で、バンドのチャンネルが重ならないように確認する必要がある。
ラジコン特有の工具はキットに入っている。一番左は六角レンチといって、ドリフトパッケージではセットスクリュー(後述)やキングピンを回す際に使用する。そして真ん中にあるのは十字レンチ。大きさは違うが、実車のタイヤ交換などのときに、ホイールナットを回す工具(クロスレンチ)と同じと考えればわかりやすいだろうか。十字のそれぞれ4隅には、5mm、5.5mm、7.0mmのナットドライバーと、アッパーアームなどの製作時にボールエンドを保持するD型形状の溝がある。さらにその右はターンバックルレンチ。サスペンションのアッパーアームやステアリングタイロッドは、一方向に回すだけで長さが変えられるターンバックルが採用されているが、その組み立てや調整に使われるのがこの工具だ。
ドリフトパッケージのシャーシはほとんどのパーツをネジで固定するわけだが、特に樹脂パーツを固定する際には気を配りながらネジを締め込もう。
金属パーツを固定するときはしっかりと固定されるまでネジを締め込んでいくのだが、樹脂パーツの固定にあまり力を入れすぎてしまうと、タッピングビスで切られたネジの溝が崩れ、パーツを固定できなくなってしまう。いわゆる”ネジ山がなめてしまった状態”だ。ネジを締め始めたら一定の力でリズミカルに締め込み、回転が重くなったポイントで止めてパーツの固定具合を確かめてみよう。