第8回 ヨコモGT全日本選手権 & 第2回 2WDツーリングカー全日本選手権 イベントレポート
8th YOKOMO GT Nationals & 2WD Touring car Nationals -Event Report
2018年度のオンロードレースの締めくくりとなるヨコモGT選手権&2WDツーリングカー全日本選手権を11月4日に谷田部アリーナで開催いたしました。全国から熱心なユーザーが集まって頂き、延べ参加人数は108名となりました。例年通りGTストッククラスの人気が高いのですが、今年は2WDツーリングカーににスケール感のあるボディを搭載して走行するYD-2TCスケールクラスの人気も高まっているようで、多くの参加者が集まりました。
ややコンパクトなサイズでブラックカーペットになった谷田部アリーナのオンロード・グランプリコースですが、比較的路面グリップが高いものの、不意のハイサイドなどはほとんど無く、安定して走行できているように見えました。各ヒートを見ていてもマシンの回転数規制もあってかタイムが拮抗し、随所で接近戦が見られる好レースとなりました。
■ YD-2TC スケールクラス
YD-2TCに21.5Tモーターを搭載、ノンブーストと回転数規制でスピードが抑えられているため、リアルなドリフトパッケージのボディでも、軽快な走行を楽しむことが可能です。参加するマシンを見ても多彩なボディが並び、見ている側も楽しいカテゴリーです。予選上位はFD3Sの久保選手とDRoo-P 86の井上選手ですが、いずれもリヤウィングは装着されておらず、ダウンフォースよりも軽量化を選択した仕様というところでしょうか。
決勝が始まるとタイム差が少なく上位争いが激しさを増す中、特に久保選手と井上選手のトップ争いがし烈になりました。淡々と走行する久保選手の後ろから井上選手が激しくプレッシャーをかけ、まさに接触する勢いのテールトゥーノーズが続きます。さらに後方からは石黒選手、作佐部選手、荒木選手らも追い上げますが、トップ2台には追い切れていない状態。井上選手もトップを攻めあぐねる中、レース時間の残り3秒ほどでこの5台が最終ラップに突入します。久保選手の安定感が高く、このままの順位でゴールかと思われたその瞬間、なんと久保選手がイン側のパイロンを踏んでクラッシュ、その脇をあきらめずに攻め続けていた井上選手がすり抜け、大逆転のトップゴールを果たしました。
RESULT
Pos | No | Name | Lap | Time |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | 井上 健 | 18 | 5:13.263 |
2 | 3 | 石黒 義信 | 18 | 5:14.828 |
3 | 5 | 作佐部 肇 | 18 | 5:16.309 |
4 | 4 | 荒木 智敬 | 18 | 5:16.659 |
5 | 1 | 久保 敬司 | 18 | 5:18.089 |
6 | 6 | 伊藤 卓 | 17 | 5:06.497 |
7 | 7 | 石黒 博 | 17 | 5:09.055 |
8 | 9 | 鈴木 秀俊 | 16 | 5:00.093 |
9 | 8 | 佐藤 雅史 | 16 | 5:00.942 |
10 | 10 | 城所 晃太 | 16 | 5:10.951 |
11 | 11 | 谷本 陽一 | 16 | 5:12.302 |
■ GT ストッククラス
予選から城所選手のタイムが速く、もはや決勝も独走かと囁かれていたGTストッククラスですが、序盤から大きな順位の入れ替えでスタートしました。まずはグリッド中盤のマシンのクラッシュで鈴木選手や泉山選手らが大きく後退、さらにトップの城所選手も後続とのクラッシュで順位を落とします。変わってトップに立ったのは田部選手ですが、いまひとつ安定感に欠ける走りで後続からプレッシャーを受けます。ペースの上がりきらないトップグループに対して、後方に下がってていた城所選手は予選の早さを彷彿とさせる16秒台のラップタイムを連発して追い上げ、田部選手の隙を突いて再びトップに返り咲きます。落ち着きを取り戻した城所選手はその後も速いラップを刻み続け、最終的には大きなマージンで強さを見せつけたトップゴールとなりました。さらに粘り強く走り切った山口選手が2位、序盤のクラッシュから復帰してこのヒートのベストラップを出しながら追い上げた鈴木選手が3位入賞となりました。
RESULT
Pos | No | Name | Lap | Time |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | 城所 晃太 | 28 | 8:05.138 |
2 | 5 | 山口 雅史 | 28 | 8:11.006 |
3 | 3 | 鈴木 健一 | 28 | 8:11.481 |
4 | 4 | 田部 誠 | 28 | 8:12.464 |
5 | 7 | 和泉 卓至 | 28 | 8:15.385 |
6 | 2 | 泉山 匠 | 28 | 8:17.286 |
7 | 8 | 中村 信夫 | 28 | 8:17.611 |
8 | 6 | 荒木 智敬 | 28 | 8:18.042 |
9 | 9 | 岡崎 祐士 | 27 | 8:05.970 |
10 | 10 | 山下 拓 | 27 | 8:14.866 |
11 | 11 | 鈴木 秀俊 | 26 | 8:12.868 |
■ YD-2TC クラス
YD-2TC標準のツーリングカーボディとブラシレス21.5Tモーターで争われるこのクラスは、ボディのダウンフォースが高く、安定した走行を楽しめますが、Aメインに進出したドライバーのタップタイムを見てみると、ベストラップがコンマ3秒ほどの違いしか無く、かなりの接戦が予想されました。TQの奥村選手を先頭にきれいにコーナーを駆け抜ける各選手ですが、上位の選手は15秒台のラップタイムを揃えてハイレベルな走行を繰り返します。大きな順位変動も無い中、中川選手がこの日のベストラップを叩き出して前走車を交わし5位に浮上しますが、そこからトップの奥村選手まではわずか2秒という接戦。小さなミスで差が詰まるシーンは何度もあるものの、それぞれにシビアなドライビングを続けてレースは終盤を迎えます。しかしスケールクラスで辛酸をなめた久保選手もトップの順位を脅かすことが出来ず、奥村選手がそのままトップゴールとなりました。
RESULT
Pos | No | Name | Lap | Time |
---|---|---|---|---|
1 | 1 | 奥村 武士 | 19 | 5:03.169 |
2 | 2 | 久保 敬司 | 19 | 5:04.442 |
3 | 4 | 中山 世一 | 19 | 5:04.739 |
4 | 7 | 中川 恵介 | 19 | 5:04.895 |
5 | 5 | 作佐部 肇 | 19 | 5:08.893 |
6 | 6 | 加藤 智寛 | 19 | 5:09.891 |
7 | 3 | 石黒 義信 | 19 | 5:10.533 |
8 | 9 | 武田 和久 | 19 | 5:12.601 |
9 | 10 | 小塚 友起 | 18 | 5:00.155 |
10 | 11 | 西岡 訓 | 18 | 5:02.430 |
11 | 8 | 山崎 健次 | 18 | 5:08.682 |
■ GT オープンクラス
そしてこの日の最終レースはGTのトップユーザーが集結したオープンクラス。TQの上田選手と2番手奥村選手が素晴らしいスタートを決め、激しいトップ争いに入りました。しかし上田選手がコース左側のシケインでアンダーステア、ラインを大きく膨らませてフェンスにヒットしてしまいます。難なくトップに立った奥村選手は、YD-2TCとのダブルエントリーでテンポの切り替えが難しいと言いながらも、先ほどのトップゴールを彷彿させる堂々とした走りで快走します。2番手には森田選手がジャンプアップするものの、さらに後方からの鈴木選手や山下選手、加藤選手からのプレッシャーで後方を伺いながらの走行となってしまい、いまひとつラップタイムを上げることができませんでした。逆にトップの奥村選手はレース中盤のきれいな走行で速いラップを揃え、大きなマージンを築いてクルージング状態。周回遅れもきれいに交わし、この日のダブル優勝を果たしました。
RESULT
Pos | No | Name | Lap | Time |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | 奥村 武士 | 33 | 8:14.985 |
2 | 6 | 鈴木 里志 | 32 | 8:03.898 |
3 | 8 | 山下 秀 | 32 | 8:04.339 |
4 | 5 | 森田 彰 | 32 | 8:04.640 |
5 | 4 | 加藤 智寛 | 32 | 8:05.988 |
6 | 7 | 泉山 匠 | 32 | 8:07.180 |
7 | 1 | 上田 晴康 | 32 | 8:10.446 |
8 | 11 | 伊藤 卓 | 31 | 8:02.271 |
9 | 9 | 大山 誠 | 31 | 8:05.886 |
10 | 3 | 井上 健 | 31 | 8:08.404 |
11 | 10 | 山口 雅史 | 31 | 8:08.761 |
おかげさまでこれにて今シーズンのGT&2WDツーリングカーレースシーズンも終了いたしました。しかし新型GTシャーシは開発中で、今後の情報も随時お知らせしていきたいと考えております。これからもヨコモGTカー、YD-2TC、ならびにヨコモ製品のご愛顧をよろしくお願いいたします。